これは今から7年くらい前の話である。
当時の私はダラット観光がブームで、毎月のようにホーチミンからダラットへ通っていた。
もう何度ダラットへ行っただろうか。
おそらく1ヶ月に1回くらいのペースで出張やら旅行やらで向かっていた気がする。
この年の9月は大学時代の友人I氏がベトナムに遊びに来たので、やはりダラットへ行くことにした。
メコンデルタ?クチトンネル?そんなメジャーな観光地になんか行かせはしない。
曲がりくねった道を歩かせてやる、それが大学時代から4、5年ぶりに会った友人としての贈り物だ。
とっはいっても私も早5、6回は来たダラットである。
私自身楽しむためには真剣に調べねばなるまい。
3日間ほど悩んでいると、とあるベトナム人の友人よりダラットやバンメトートでゾウに乗って川を渡れるという話を聞いた。
ゾウに乗って川を渡るだと……?
なんだそれめっちゃ香ばしいにおいのする話じゃのう。
思わず舌なめずりをしてしまった。
問題はバンメトートなのか?それともダラットなのか?
バンメトートっていうとダラットから3時間はかかる場所にある。
ホーチミンからダラットまでバスで6時間と考えると、ホーチミンからバンメトートまで往復で約18時間から20時間弱を消耗してしまう。
さすがに日本から連休使ってきた友人に20時間の移動時間を強いることはできない。
やってもいいが出来れば避けたいところ。
何より私もしんどい。
インターネットで調べてみると、ダラット近郊の『プレン滝』とかいうところでゾウに乗れるようだ。
場所はダラット市内から30分くらいのところであった。
ダラットの魅力としては町が小さいわりに観光地が多く一日でも様々なところを回れるところだ。
よしそれだ、今回はゾウに乗ろう。
っということで友人の意向を完全に無視して、それしか選択肢が無いかのようにいつものバスに22時頃乗り込み、ダラットにある知人の別荘へ向かう。
ちなみに後にバンメトートでゾウに乗った話はこちら。
バスは一番後ろを予約した。
上段と下段があるのだが、今回は下段だ。
バスは相変わらず安全を度外視した強行突破を繰り返していた。
ダラット慣れしていた私は平気であったが、隣で慣れていないI氏はぐったりして動かなくなっていた。
土曜日の朝、無事ダラットへ到着した。
ダラットの朝は本当に美しい。
ヨーロッパばりの幻想的な町並み。
朝には霧が見える。
ダラットで本を読みながら一生を過ごしてもいいかもしれない。
もし私が両親を連れてきてベトナムで生活を行うとしたら、確実にダラットを選ぶだろう。
別荘より見えるダラットの町なみ。
霧が晴れると山が見えた。
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